終煙誘導研究会

禁煙指導に携わる医療関係者の皆様へ

こんにちは、終煙誘導研究会主宰の国友です。

禁煙を希望する喫煙者が増えている中、医療機関における禁煙支援の必要性が増大しています。 今まで私達は禁煙継続が困難な喫煙者を対象に支援してきましたが、各種禁煙補助剤が使えるようになった今でも、 その困難を容易に克服できない、というのが現状ではないでしょうか。

その一方、一般社会に目を向けると、多くの喫煙者が意外と簡単にきっぱりとタバコをやめているという事実を 確認することができます。以前の私は「タバコをやめたいのにやめられない」と訴える喫煙者の対応に意識を奪われ、 「簡単にきっぱりタバコをやめた元喫煙者」の存在を見逃していました。

終煙誘導法はその「簡単にきっぱりとタバコをやめた元喫煙者」に注目し、なぜ彼らは簡単にタバコをやめることができたのかを、 追求した結果、導き出された指導法です。私は2000年より千葉労災病院で禁煙外来を担当していましたが、 終煙誘導概念の導入以降、「禁煙外来」の呼称を「卒煙外来」に変更し、 2008年より「終煙外来」として診療を行っています。


尚、このサイトは禁煙指導に携わる医療関係者を対象にしています。 禁煙支援に当たる指導者の情報交換の場にしたいと考えていますので、 タバコをやめることを希望される一般の方は、千葉労災病院終煙外来の方へお問合せください。

終煙誘導研究会設立趣意

きっぱりとタバコをやめた元喫煙者に注目し調査してみると、驚くべき事実が見えてきました。 彼らはいとも簡単にタバコをやめています。苦しい思いをすることもなく、禁断症状を訴えるケースもほとんど確認できませんでした。 しかも、喫煙年数、TDS、ブリンクマン指数等の数値に関係なく皆同じように簡単にきっぱりとやめているのです。 禁煙外来を受診する喫煙者からは想像することさえ困難なことなのですが、調査の結果その事実を認めざるを得ません。

元喫煙者への調査及び千葉労災病院終煙外来での評価は2007年5月の第47回日本呼吸器学会で 「当院の禁煙外来の成績〜終煙誘導法のすすめ〜」と題して発表しました。 学会資料は当サイトでも閲覧できるようにしておりますので、関心のある方は是非ご覧下さい。

彼らの存在は以前より知られていましたが、彼らにその秘訣を聞いても答えを得られることはないために、 残念ながら「意志の強い特殊例」として扱われ、 保険診療であるニコチン依存治療の「禁煙治療のための標準手順書」の中では扱われてきませんでした。 ただ、彼らに共通することはタバコをやめる何らかの「きっかけ」があったことです。 当初、その「きっかけ」は十人十色で、共通性を見出すことは困難かと思われましたが、研究の結果、 現在では、そのきっぱりとタバコをやめた元喫煙者のすべてに該当する心理的動向を説明できるまでになりました。

終煙誘導法はタバコをやめたいと希望する喫煙者に対して、 意図的にきっぱりとタバコをやめた元喫煙者がたどった心理的動向に向かわせ、 彼らと同じように簡単に短時間できっぱりとタバコをやめるように誘導を試みる手法です。

そして、現実に受講して、きっぱりとタバコをやめた元喫煙と同様にやめていく人がいます。 驚かれるかもしれませんが、同様にということはタバコに関する知識を必ずしも必要とせず、 やめた秘訣を他の人に伝えるのは困難ということです。

結論から言うと、終煙誘導法は従来の禁煙指導の概念とはまったく違う領域に存在しており、 従来の禁煙支援の概念では研究を進めることができません。まったく新しい領域の概念を創造していかなければならないのです。 その為、私は終煙誘導法に関する概念、及び現在までの研究資料等を禁煙支援に携わる医療関係者に公開し、 広くご意見をいただくこと、また、終煙誘導法の基本概念に共感して頂ける方を募り、 共同で研究することで、終煙誘導法の確立を目指したいと考えました。

以上の理由から、私は今回「終煙誘導研究会」を立ち上げることを決意したしだいです。 多くの医療関係者の方の参加を期待しております。

国友史雄 2009年8月1日

終煙誘導法の原点

終煙誘導法は2006年11月に私が提唱したタバコをやめる為の指導法です。しかし、その基本的概念の原点は禁煙指導センター 藤浦正信氏の『禁煙せずにタバコをやめる』にあります。 藤浦氏は医師ではなく一般の方ですが、ご自分がタバコをやめた時の体験を基に『禁煙せずにタバコをやめる』を思いつき、 その概念と手法を「卒煙マニュアル」という冊子にまとめ、1999年9月よりタバコをやめたい喫煙者を対象に、 インターネットで販売されています。

私は2006年3月にリセット禁煙のMLで藤浦氏と知り合い、メールで情報交換をした後、「卒煙マニュアル」の提供を受け、 初めて『禁煙せずにタバコをやめる』の概念に出会いました。 『禁煙せずにタバコをやめる』の概念は従来の禁煙指導の概念とはまったく違う位置に存在する概念ですが、 当初、私は従来の禁煙指導の概念の中から理解しようとした為、なかなか理解することができませんでした。

私が『禁煙せずにタバコをやめる』の概念を理解できるきっかけとなったのが、 2006年6月に藤浦氏が東京で開催したタバコをやめたい人を対象としたセミナーでした。4時間に及ぶセミナーを通して、 タバコをやめる為の新しい概念が激流のごとく流れ込んできた衝撃と感動は忘れることはできません。

その後、私は藤浦氏の『禁煙せずにタバコをやめる』の概念を、私の禁煙外来で応用することを模索し、 藤浦氏と情報交換を重ねました。 その当時の『禁煙せずにタバコをやめる』卒煙マニュアルはどちらかと言うと論文形式で、外来で応用するには適していなかったからです。 幾つかの試行錯誤を重ね、私は対面で受診者を誘導していく手法を考案し、その概念と手法を『終煙誘導法』と命名することにしました。 現在では、藤浦氏の卒煙マニュアルも終煙誘導法の流れに準じた構成になっており、より分かりやすくなっています。

また、藤浦氏の『禁煙せずにタバコをやめる』の対象は主に一般的な喫煙者であり、 きっぱりとタバコをやめた元喫煙者の手法を積極的に適応しようとするものです。 勿論、終煙誘導法も一般的な喫煙者を対象に含みますが、実際に私の終煙外来を受診する喫煙者はどちらかと言えば、 難症例の患者が多く、心理学的なアプローチを必要とします。 終煙誘導法ではこのような難症例の受診者に対する心理学的対応の概念や手法の研究について、 も積極的に取り組んでいきたと考えています。

『終煙誘導法』と『禁煙せずにタバコをやめる』の関係

『禁煙せずにタバコをやめる』とは概念でありその概念と手法を示したものが「卒煙マニュアル」です。 『終煙誘導法』は『禁煙せずにタバコをやめる』の概念を基に、 対面指導でタバコをやめるように誘導していくという概念およびその手法のことをいいます。 『禁煙せずにタバコをやめる』と『終煙誘導法』は密接な関係にあり、同じ方向性を持つものです。